BPPV

良性発作性頭位めまい症(benign patroxysmal positional vertigo: BPPV)

略語で記入やら入力やらをするときはもともとの名詞が長かったり画数が多かったりするので、これもほぼBPPVで記録されている。これを正式な日本語病名で記録しなおすときや、私が覚書で略語を記入するときにいつもちょっと躓く。

まず、BPPV、、、「B」と「P」と「V]って似てる。私のアルファベットのグループではなんとなく一緒のグループ。で、BPPVと書くところをPBBVとか書いてから、なんか違うとなるのだけれど、書き直しているうちにゲシュタルト崩壊をおこしてしまう。

そして、「良性」で「発作性」で「頭位(”ずい"と読むのか"とうい"と読むのかでまた躓く)」と病状を形容する単語が3つも頭についている。よく「発作性良性~」と入力してエラーを出してしまう。ついでに端末を変えると「頭位」が変換されなくてイライラが相乗される。("とうい"と入力して変換されず”ずい”だったかなと思って入力しなおしても変換されない)

で、何度となく英単語で確認しているのだけれども「benign patroxysmal positional vertigo」全体的になじみの薄い単語の羅列なのだ。

 

「benign」

まず発音からしてわからない。学生の頃にお見かけしたことありましたでしょうか?のレベルで馴染みがない。で、辞書で意味をみると「親切な,優しい,慈悲深い」と続く。イメージで繋がらなくはないが「親切なめまい」で自分に落とし込むにはいまひとつなので、もう少し何かないかと調べてみると、語源はラテン語だということにたどり着く。

From Old French benigne, from Latin benignus (kind, good), from bonus (good) + genus (origin, kind). Compare malign.

 「ボーナス」とかなんだかとても嬉しい単語なのだけれど、ラテン語ってことからイタリア語の「Bene」ってことじゃない?とシナプスが繋がりました。そういえば「Bene」は「Buono」の副詞ですものね。そうなると、この略語を見ると頭の中でイタリア人が陽気に「Bene!Bene!」と喋りだすようなイメージになってしまった。

 

「patroxysmal」

これも発音からしてわからない。”oxy”この辺がラテン語ギリシャ語由来の医療単語っぽい雰囲気を感じさせるが、ちょっと脇に置いておく。

 

「positional」

なんとなくわかる「position」だ。頭の向きで起こるめまいということで「 頭位」ということにしたのだろうと推測。

 

「vertigo」

母音で終わるって重要。わからないないけれど、なんとなく安心感がある。語順からして「めまい」のことなので、もう「めまい」として覚えればいいとは思うが、少し調べてみた。手元にある2002年初版、2009年第5版第3刷(一部改定)の「診療情報管理Ⅱ 基礎・医学用語編」で引いてみると接尾語の頁に

-igo disease

 とだけある。これは病気化する接尾語として覚えるしかないのかしらと、goo辞書の「~終わる単語」で「igo」を引いてみる。「impetigo-膿痂疹」「intertrigo-間擦疹」「lentigo-ほくろ」「prurigo-痒疹」「serpigo-白癬」…皮膚疾患オンパレード。皮膚疾患寄りの接尾語なのか?

で、問題の「vert」部分。

(verse)向けること回すことを表すラテン語vertere印欧語wer-から。

やはりラテン語起源で「回る病気」で「めまい」ということか。が、「vert」が回るに結びつかない、他の派生語はないかとウロウロしていたら、「version」「convert」などに突き当たった。むむ、イメージ的に「めまい」感より「変換する」感が強い。そうすると「頭位」に意味が近づいてしまう(私的に)。他ないかな~とスクロールしていたらふと私の脳内に「コンバトラーV」が降臨。なんとなく戦うということで「バトラー(battle+er)」由来だと思っていたけれど、これは「コンバートする人・物(convert+er)」だったのではないかと。そうするとコンバトラーVの必殺技たちがなんだか回っていたような記憶がむくむくと蘇る(が、超かすかな記憶)。で、「vertigo」が「コンバトラーVがふらふらしている図」としてインプットされてしまった。

 

要は、「良性発作性頭位めまい症」=「 BPPV」benign patroxysmal positional vertigoを覚えられればいいのだから、「patroxysmal」はとりあえず横においておいて大丈夫そうだ。